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第15回 シェアハウスによる不動産投資その5

GW明けから、不動産各社の3月期決算報告が次々とリリースされてきています。むろん、情報開示されているのは大手の上場企業ばかりですが、今年の決算では「勝ち組」「負け組」の差がかなり明確に出ているようです。

まず、5月12日に開示された住友不動産(株)ですが、こちらは売上高が13期連続の増収で、初めて7,000億円を突破するという好調ぶり。経常利益は若干減益となっているものの、経費削減と不動産流通事業の大幅増益などが功を奏し、売上高7,196億3,500万円(前期比3.5%増)、当期純利益526億6,200万円(同14.0%増)を達成しています。

続いて、11日に発表された明和地所(株)。こちらは、前期の大赤字から一転して大幅な黒字化に成功しています。同社の分析によれば「在庫販売と買取再販を主体とした営業から、マンション用地の仕入れ再開へと経営方針を転換」したことが功を奏したとのことで、営業利益・経常利益・当期純利益のいずれも、前期160〜180億の損失を出していたものが、今期は億単位の増益となっています。 また、東急不動産(株)(株)大京では、マンション販売の計上戸数減少など分譲事業の不振を、管理事業を強化することでカバーし、いずれも減収ながら増益としています。

一方、不動産販売事業を主軸とする企業等では、利益率の低下による増収減益、さらには販売不振による減収減益に陥った企業も少なくありません。前回のコラムで取り上げたエヌ・ティ・ティ都市開発(株)でも、不動産賃貸事業における既存物件の賃料収入の減少や前期の物件売却等による減収が響き、さらに固定資産売却益の特別利益の計上、繰延税金資産取崩しの影響による法人税等調整額の増加などにより、増収ながら減益となっています。

さて、前回のコラムでは、不動産投資におけるキャッシュフローの重要性についてかんたんに述べさせていただきましたが、上でご紹介したような上場企業では、国際会計基準にのっとりキャッシュフロー計算書(C/S)の作成が法律上義務付けられ、貸借対照表と損益計算書に次ぐ第3の財務諸表として位置付けられています。本業において経理・財務関係のお仕事をされている方には釈迦に説法ですが、C/Sとは企業もしくは事業者の現金創出力、すなわちどれだけの金額のキャッシュを生みだす力を持っているのかを判断する指標となるもので、投資家の多くは、会計上の利益よりこのC/Sを重視して企業を評価する傾向にあります。サラリーマン大家さんの場合でいえば、銀行等の金融機関の融資審査においてC/Sが重要になってきます。しっかりしたキャッシュフローを提示できれば、それだけ有利な条件で融資を受けられる可能性が高くなり、お粗末なキャッシュフローであれば融資自体を断られることにもなりかねません(もっとも、副業感覚のライトなサラリーマン大家さんであれば、本業での収入だけでじゅうぶんキャッシュフローになりますが……)。

また、同じように投資家や金融機関が重視する指標にROI(Return On Investment)というものがあります。日本語では投下資本利益率、または投資回収率などと訳されますが、要は投下した資本がいかに有効に活用されているか、どれだけ効率的に利益を生みだしているかを測るための指標です。ROIを求める計算式は

ROI=利益/投資額×100

となりますが、不動産投資の場合はもっぱら

ROI=年間キャッシュフロー/投資額×100

という計算式で求められます。たとえば、自己資本500万円でシェアハウスを購入し、毎月20万円の現金が手元に残るのであれば、年間キャッシュフローは240万円となり、

ROI=48%

という数値になります。すなわち、2年強で自己資本を回収できることになり、これはきわめて収益性に優れた投資案件であると判断されます。

次回は、正しいキャッシュフローの算出方法とその注意点について考えてみたいと思います。
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