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シェアハウス 高市政権 支持率低下 ナフサショック 企業倒産件数 イラン戦争 戦闘終結

第149回 ナフサショックとシェアハウス

国内主要報道機関8社による5月の世論調査の結果によると、高市内閣の支持率は4月に比べて全体的に下降傾向にあるようです。もっとも低いのが『毎日新聞』で支持率50.0%。以下、『時事通信』59.4%、NHKが60.7%、『朝日新聞』60.0%、『日本経済新聞』66.0%……と続き、もっとも支持率の高いJNN(Japan News Network/TBSをキー局とする民放テレビ局28社で構成されるネットワークの総称)は70.0%となっています。もともと世論調査というものは、調査対象の層の違いによって多少の偏差は出てくるものですが、50.0%と70.0%ではパッと見の印象でずいぶん違って見えます。支持率低下の要因となっているのは、主に「中東情勢=イラン戦争によるホルムズ海峡封鎖の影響」と、いわゆる「文春砲=誹謗中傷動画問題」であるというのが大方の見解のようです。とはいえ、「誹謗中傷動画」に関しては、あくまで高市首相という一人の政治家のスキャンダルであって、これは「事実か、否か?」が争点となります。仮に事実であることが立証されたとしても、「高市早苗氏の人間性」が、一国の首相として「ふさわしくない」と証明されたに過ぎません。これに対して、「ホルムズ海峡封鎖に起因する経済的影響」については、現在進行形の大問題であり、国民生活に直結する文字通りの死活問題です。中でも喫緊の課題といえるのが、前回、前々回の当コラムで取り上げている“ナフサショック”。政府は6月以降も依然として「流通の目詰まり」説を曲げず、荻生田幹事長代行に至っては「目詰まりの原因を特定した」とまで妄言を吐いていますが、もはや相手にする者は誰もいません(著名インフルエンサーのひろゆき氏が軽くおちょくった程度でしょう)。今や完全に保身に走っている高市政権を追及するのは“生活に余裕のある”野党政治家や一部のマスコミに任せるとして、われわれ大多数の国民は、日常生活を維持することに全力で取り組まなければならないところまで追いつめられているのです。

さて、当月も直近のニュースからシェアハウス大家さんに関心のある話題をいくつかご紹介して参ります。当コラムの読者の皆様ならお察しの通り――やはり、引き続き“ナフサショック”関連の話題が中心となります。
まずは6月12日、『MONOist』に掲載された「製造業へのナフサショック影響が明らかに、プラ製品製造業100%が価格に支障」( https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2606/12/news051.html )という記事から。『MONOist』というのはアイティメディア(株)が運営する「モノづくりスペシャリストのための情報ポータルサイト」の名称で、「日本の製造業のモノづくりに関する最新情報や、問題解決につながる“気付き”を発信し続けているモノづくり専門メディア」と解説されています。同記事は、この『MONOist』のメンバーである遠藤和宏氏の署名記事になります。以下、『Yahoo!News』などの外部サイトにも引用されている部分を抜粋して引用します。
「東京商工リサーチは2026年6月11日、ナフサに関する企業向けインターネットアンケート調査の結果を発表した。同調査では2026年6月1〜8日にかけて行ったインターネットアンケートで得られた6788社の有効回答を集計し、分析した。なお、資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業などを含む)を中小企業と定義した。
(中略)
『調達量と価格のいずれか、または両方に支障がある』は85%
 同調査の結果によれば、『ナフサなどの石油化学製品の原料について、政府は「日本全体で必要な量は確保できている」との見解だ。現在、使用する石油化学製品の調達に支障はあるか』と対象企業に質問したところ、『調達量/価格ともに支障がある』と答えた企業は全体の54.1%を占め、最も多かった。
 続いて、『調達量は問題ないが、価格は支障がある』が25.8%で、『調達量/価格ともに問題ない』が14.9%、『調達量に支障をきたしているが、価格は問題ない』が5.1%となった。規模別では、それぞれの回答で大企業と中小企業の差は3%以内にとどまり、影響は規模を問わず広がっている。
 『調達量に支障がある』と回答した企業の業種別では、トップは『自動車整備業』の86.7%だった。『価格に支障がある』のトップは『プラスチック製品製造業』と『非鉄金属製造業』の各100%となった。
 『中東情勢の緊迫化(2026年2月末)以降、石油化学製品の在庫を積み増したか。数量ベースで回答してください』と対象企業に尋ねたところ、積み増したと回答した企業のうち、最多は『前年比1〜20%程度増加させた』の22.2%だった。次いで、『前年比21〜40%程度増加させた』は6.2%で、『前年比41〜60%程度増加させた』は1.3%となった。
 規模別でみると、在庫を積み増した企業は中小企業で31.2%に対し、大企業では24.0%にとどまった。中小企業ほど、防衛的な在庫積み増しに動いているようだ。
 産業別では(中略)生産が不安視されている業種で在庫の積み増しが行われていると考えられる。
(中略)
 『政府は5月、「6月に必要な原油を確保できる見通しが立つことから、第3弾の国家備蓄放出はしない」と公表した。この方針を支持するか』と対象企業に聞いたところ、『どちらともいえない』と回答した企業は47.4%で最多となった。(中略)半数が判断を避け、『大いに支持する』と『ある程度支持する』が合計30.5%に対し、『あまり支持しない』と『全く支持しない』は21.9%だった。
(中略)
 今回のアンケート調査では、『調達量と価格のいずれか、または両方に支障がある』との回答が85.0%に達した。ナフサなど化学製品基礎原料の供給不安は、幅広い産業に広がっていると考えられる。
 政府は、ナフサ不足は『供給の偏り』や『流通の目詰まり』が原因と説明するが、足元では企業の在庫積み増しが起こり、今回のアンケート調査では企業の30.7%が『積み増した』と回答した。特に、中小企業が在庫積み増しに動いていることが分かった。
 ナフサ不足の影響で、食品業界では包装フィルムをカラーから白黒に変更し、パスタを束ねるテープを無地にしている。
 また、建築/住宅資材メーカーでは、トイレ/ユニットバス/塩ビ管などで支障が起きており、医療現場でも注射器、点滴バッグ、手袋などに影響が出ている。ごみ袋の欠品を受けて、指定外のごみ袋でのごみ出しを認めるなどの自治体もあり、消費者にも目に見える影響が出始めている」
同調査では「約30%の企業で在庫の積み増しを行っている」との結果が出たことから、政府の主張する「流通の目詰まり」説にもある程度の信憑性が裏付けられた、と解釈することもできるでしょう。同時に、荻生田幹事長代行が漏らした「目詰まりの原因を特定した」との言葉が妄言に過ぎないこともこれで立証されました。どこか特定の1社が“ブツ”を抱え込んでいる、というのは、わかりやすい“犯人捜し”に問題を卑小化し、「ナフサ不足」という明白な事実から目をそらせようとする浅知恵だったわけです。荻生田氏とて当然それは承知の上でしょうし――逆に、もし本気でそう信じて口にしていたのだとすれば、これは荻生田氏の政治家としての資質に重大な欠陥があるということになります。
なお、上記の記事を執筆した遠藤和宏氏は、これに先立つ2026年6月5日付の『MONOist』に「ナフサショックで野菜が出荷できない、なぜ……」( https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2606/05/news048.html )という記事を掲載しています。こちらは、日本の農業現場におけるナフサショックの影響を、農業総合研究所の実態調査を通じて紹介した記事になっています。興味のある方はリンク先をご参照ください。

次にご紹介するのは、『FNNプライムオンライン』に6月8日付で掲載された「ナフサショックで倒産増加『塗装・防水工事』にしわ寄せ 約9割が小規模企業、年間で過去最多更新の可能性」( https://www.fnn.jp/articles/-/1056884 )という記事。以下、全文引用します。
「ナフサ供給不安の影響で、塗装や防水工事を扱う企業の倒産が高い水準で推移しています。
2026年1月から5月までの『塗装や防水工事』を扱う企業の倒産件数は80件となりました。
このうち小規模企業の倒産が約9割を占め、2026年は年間で過去最多を更新する可能性があるということです。
調査した帝国データバンクによりますと、塗装と防水工事は建築作業の工程で終盤に行われるため、工期の遅れのしわ寄せなどの影響を受けやすいことが要因だということです。
中東情勢の悪化が長引けば、倒産件数がさらに増える可能性があると帝国データバンクは分析しています」
掲載元の『FNNプライムオンライン』はFNN(Fuji News Network)の運営するテレビ局系の総合ニュースサイトで、それだけに表面的な「わかりやすさ」や「センセーショナリズム」を前面に出した取り上げ方が特徴ですが、簡潔な文言で「何が原因で、どんな問題が起こっているか?」を端的にまとめています。何より重要なのは、政府の対策(そう呼べるものであれば)がこの問題に対して「何一つ効果を挙げていない」という事実の指摘でしょう。

これに関連して、6月5日付の『ダイヤモンド・オンライン』には「売り上げ増なのになぜ倒産?建設業で相次ぐ『好調企業の破綻』のワケ」( https://diamond.jp/articles/-/391727 )という記事が掲載されました。同記事は、帝国データバンク東京支社情報統括部情報取材課長の篠塚悟氏による連載企画「予測・分析倒産のニューノーマル」における会員限定記事になります。以下、無料公開されている冒頭部分を引用します。
「帝国データバンクが発表した2025年度(2025年4月〜2026年3月)の全国企業倒産は、前年度から3.5%増加の1万425件となり、2年連続で1万件を超えた。このうち、『建設業』の倒産は2041件(前年度比5.6%増)と、過去10年で最多を記録。とりわけ中小・小規模事業者は、原材料価格の高騰と人手不足の影響を強く受けている。一方、中堅クラスの建設業者も価格高騰と無縁ではないが、倒産の経緯をみると『売り上げ拡大基調のなかでの倒産』という、中小・小規模建設業の倒産とは異なる光景も見えてくる。(帝国データバンク東京支社情報統括部情報取材課長 篠塚 悟)
■ナフサ不足で倒産増が懸念される建設業
 ナフサをはじめとする原油由来の原材料価格の高騰と供給制約で『建設業』も大きな影響を受けている。帝国データバンク(以下、TDB)が毎月実施している『TDB景気動向調査』(4月調査)をみると、『建設業』の景気DIは前月から3.9ポイント減となり、主要9業界中、悪化幅は最も大きくなった。
 企業からは『防水材料、塗料、シンナー系溶剤、樹脂製品など石油由来製品の出荷が一気に止まり、施工中の工事はストップし、現場は大混乱している』との声も寄せられている。
 倒産に目を転じると、これまでの原材料価格などの高騰を受け、4月の『物価高倒産』(全業種)は108件と単月ベースで過去最多を記録したが、このうち『建設業』は33件と業種別で最も多くなった。
 今後、中東情勢の緊迫化による『価格上昇』と『モノが入ってこない』ことで行き詰まる建設業者が出てくることは十分に考えられる。もっとも、こうした価格上昇の影響によって倒産にまで至るのは、大手・中堅企業と比べて経営体力の余力の小さい中小・小規模の企業が中心になるだろう」
この続きが気になる方は、上記リンク先から会員登録を行った上でご一読ください。いずれにせよ、帝国データバンクも東京商工リサーチも、事態をきわめて深刻に捉えていることは間違いなく、こうした財界の危機感が近い将来における高市政権の存続にも大きく関わってくることは必然と思われます。

最後に、5月27日に『健美家』の「不動産投資コラム」のコーナーに掲載された「ついにナフサ不足で工事中断!?家賃を上げても儲からない!?大家業が『終わる日』」( https://www.kenbiya.com/ar/cl/jikenbo/93.html )という記事をご紹介しておきます。これは、渡辺よしゆきさん(3人の子供を持つ貧乏零細子沢山兼業大家 みまもルームの代表取締役)による連載コラムの第93話になります。たいへん読みやすく、またわかりやすい身近なテーマを取り上げていることから、ぜひリンク先をご一読ください。

当月はけっきょく、ナフサショック関連の話題のみに終始してしまいましたが、それというのも、この件が一朝一夕には改善されそうにないさまざまな問題を含んでいるためです。そんな中で、6月14日(日本時間15日午前)に報じられたイラン戦争の「戦闘終結」のニュース( https://www.asahi.com/articles/ASV6F76B2V6FUHBI02GM.html )は、ひさびさの明るい光明となってくれるかもしれません。とはいえ、ただちに「ホルムズ海峡開放」「ナフサ輸入再開」が実現するというものでもありませんから、当面は現状が続くことを覚悟し、目の前の日々の営みに専念することが大切だと思います。
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