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シェアハウス 高齢者 多世代アパート 自治体運営 シングルマザー専用 政策金利引き上げ

第143回 変化の時代とシェアハウス

高市首相の「台湾有事」発言以来、急激に緊張が高まりつつある日中関係。自国民に対する「日本への渡航自粛要請」や「パンダの返還請求」などはまだしも平和なものでしたが、12月6日に沖縄周辺で発生した中国軍機による航空自衛隊機への「レーダー照射」問題と、その後の対応における中国政府の強硬な姿勢は、国内に不穏な空気を醸成しつつあります。さらに、12月17日には陸上自衛隊のヘリコプターが静岡県上空で約1分間の「レーザー照射」を受けたと報じられました。素人には違いがわかりにくく混乱させられますが、なんでも、「レーダー」は電波、「レーザー」は光を用いたもので、いずれもそれ自体に殺傷力はありませんが、照射した側の「警告」もしくは「恫喝」の意図が感じられます。レーダーでロックオンされれば、パイロットはミサイルで狙い射たれる危険性を警戒しなければなりませんし、レーザーの場合は照準目的だけでなく、レーザー光そのものがパイロットの視界を阻害し、操縦を誤って事故を起こすリスクもあります。いずれにせよ、日本の自衛隊に――とりもなおさず日本政府に敵対する意思を持った行動であることは間違いないでしょう。
中国は、世界最大の人口と世界第2位の経済力を持つ核保有国であり、国連常任理事国でもあります。日本の国益を第一に考えるのであれば、賢明な指導者なら、決して相手の挑発に乗るようなことはないはず――と、信じたいところですが……。

年の瀬も押し迫る中、そうそう不安を感じてばかりもいられません。気持ちを切り替えて、今月も不動産関連の話題をいくつか取り上げて参りましょう。
まずは12月16日、テレビ朝日系の報道番組『羽鳥慎一 モーニングショー』の中で高齢者シェアハウスの特集が放送されました。これは同日夕方、同番組の公式サイトに「『介護じゃなくて自立』孤独解消、自由と安心 高齢者シェアハウスで新しい老後生活」( https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/900180056.html )という記事にまとめられ、配信されています。以下、抜粋して引用いたします。
「今、高齢者たちが共同生活をするシェアハウスが人気になっているということです。
■『好きなことができる』シェアハウスの暮らし
(中略)滋賀県大津市で介護事業を行う会社が運営している、高齢者向けシェアハウス。5階建ての最上階のワンフロア、全13部屋を高齢者向けのシェアハウスとして、今年5月にオープン。
 現在70代〜90代までの男女6人が生活しています。(中略)
 共有スペースのリビングには、大きなソファとテレビ。キッチンは自由に使え、いつでも料理ができます。お風呂は広くて清潔感ある浴場で、24時間自由に入浴可能です。
 個室はワンルーム、およそ18平米で全室エアコン付き。月々の家賃は管理費、共益費込みで5万5000円です。
 今年8月に入居した竹山進さん(79)。(中略)両親が亡くなってから20年間一人暮らしをしていましたが、自宅の管理が難しくなり、市からの紹介で高齢者シェアハウスに入居しました。
『介護じゃない、自立やねんな。好きなことができるし、おばあちゃんなんかとしゃべるのが楽しいからね』
(中略)
■自分のペースで生活 買い物も支援
 シェアハウスでは入居者が一緒に食事を作る日も。(中略)
 一般的な高齢者施設では看護師や介護スタッフによる支援がありますが、一日のスケジュールが決められていることが大半です。
 一方のこちらの高齢者向けシェアハウスは、入居者たちは自分のペースで生活しながら、体操教室などのサービスを受けられます。
 この日はスタッフが運転する車で、入居者全員で買い物へ。(中略)
『自分一人では行けへんやろ。こうして、皆連れてきてくれてね。うれしいんです』
■『元気になる』会話生まれ孤独解消
 最年長91歳の石川ヨシノさん。ケアマネージャーの紹介で、今年9月に入居しました。(中略)
 製紙メーカーで働いていた石川さんは24歳で結婚。夫と2人の子どもがいましたが、4年前、天涯孤独になりました。(中略)
(Q.1人で住んでるときは、不安なことも多かった?)
『テレビだけ見てるやろ。ここ(心)の中に(不安が)たまって。やっぱり人間話をしないといかん、人とね。徐々に(交流)していけば元気になるかなあ」
 ヘルパーと一緒に夕食を作っていた竹山さんとキッチンでばったり会い、つかの間の会話。(中略)
 高齢者向けシェアハウスの魅力は交流し、助け合うことでつながりが芽生え、孤独を感じない暮らしができること。
安江道代さん(79)
『廊下で出会っても、こんにちはとかおやすみとかいう言葉が出るから。元気でトイレ行かはるなとか、よく分かるから良いこと』(中略)
■『年は関係なくて…』高齢者と若者暮らす多世代アパート
 高齢者の新しい暮らしの形は他にもあります。神奈川県藤沢市には、高齢者と若者が支え合って暮らす多世代共生型アパートがあります。
 全7部屋の単身者向けのワンルームで、現在、20代の若者から90代の高齢者が暮らしています。
 高齢者の部屋は段差の少ないバリアフリー設計で、人の動きに反応する見守りセンサーが取り付けられているほか、アパートには訪問看護の事務所やクリニックもあり、気軽に相談ができます。
 最大の特徴は、高齢者と若者が日常的にコミュニケーションを取れる仕組みがあること。その一つが、若者による高齢者への声かけです。
入居者 宮川陸さん(26)『最低週1回は各お部屋にごあいさつをお伺いしてるんですけど、できる範囲でもっと増やせる時は増やすという感じですね』
 そしてもう一つが、月に1回アパートに併設するカフェで行われるお茶会です。
倉橋遼さん(33)『12月にクリスマス会みたいなことをやれるといいかなと』
入居者(70代) 『ここのスイーツ男子が(クリスマスケーキを)作ってくれるって言ってるよ』
『そうなの?すごい』
『彼のクッキーとかすっごくおいしくて』
 お茶会の他にも、一緒にランチに出かけたりと高齢者と若者で世代を超えたつながりが生まれています。
入居者(70代) 『みんな知り合いだから、来ておしゃべりしたり。距離感がすごく居心地がいいんですよ。年は関係なくて馬の合う友達ができる』
■入居の若者『相談できる関係性』
 若者にもうれしいメリットがあります。若者が見守り役として高齢者に日常的に声かけし、月1回のお茶会を開催することで、月7万円の家賃が半額の3万5000円に。
 高齢者には見守りをしてくれる安心感が生まれる一方、若者にとっては安く住めるなど、双方に利点がある仕組みです。(中略)
 今年3月に入居した宮川さん。家賃以外にも魅力があるといいます。
『(両親が)共働きだったので、家に帰るとおじいちゃんが家にいてくれて。家に帰ったらおなかがすいた時に何か作ってくれてたりとか。泣いて帰ってきたら話し相手になってくれたりとか。懐かしさというか、そういうのを感じてるかもしれないですね』(中略)
『自分の倍以上生きてこられてる方なので、自分の悩みがあった時とかも自然と話せる、相談できる関係性でもあります』
 現在は満室で、入居待ちの人がいるほどの人気となっています。
ノビシロ代表取締役CEO 鮎川沙代さん 『他人なんだけれども家族のような付き合いができる。古き良き時代の良さを取り入れつつ、現代にも即した一人暮らしを保ちつつも、程よく関わり合うみたいなものを目指しています』(12/16 17:31配信)」
元記事はテレビの報道番組を文字に起こしている関係上、やや冗長に感じられますが、要するに介護会社が運営しスタッフが常駐するワンルームタイプの高齢者シェアハウスと、若者と高齢者をそれぞれ受け入れ、若者には高齢者をケアする代わりに家賃を下げて貸し出している多世代アパートの事例紹介です。それぞれの取り組み自体はさして目新しいものではありませんし、言ってしまえば?いいとこどり?の上っ面だけの紹介になってしまっているのですが……少なくとも、視聴対象である高齢者シェアハウス入居者予備軍の方がたに向けて、この世代にはまだなじみの薄いシェアハウス生活を明るく楽しいものとしてアピールする効果はあったのではないでしょうか。

続いて、12月15日付で『朝日新聞デジタル』に掲載された「スルガ銀、解決金121億円支払いへ 不正融資の顧客らに」( https://www.asahi.com/articles/ASTDH2TY7TDHULFA00LM.html )という藤田知也記者の署名記事。コロナ禍以前から当コラムをご愛読いただいている方ならご記憶にある名前かもしれません。当時、例の「かぼちゃの馬車」事件を発端として世間の注目を集めた覚えのある一連の「スルガ銀行不正融資問題」をずっと追いかけていた記者さんです。その藤田記者によれば、一連の「不正融資問題」の解決に向けて動きがあった模様です。すでに何年も前の話題ですし、ここでは上記の紹介のみにとどめておきますが、関係者の皆様や興味のある方はリンク先の有料記事をご参照ください。

次にご紹介するのは、リクルート社の運営する不動産・住宅サイト『SUUMO』の住まい・暮らしのニュース・コラムサイト「SUUMOジャーナル」に12月5日付で掲載された「空室めだつ築古団地、『シングルマザー専用』フロアにして満室に。オートロック完備、群馬県が全国初のシェアハウス運営を決断」( https://suumo.jp/journal/2025/12/05/212773/ )という記事になります。これは制作会社りんかくの企画する「連載 百人百通りの住まい探し」というコンテンツの、同社登録ライター・和田文氏による署名記事になります。以下、抜粋して引用いたします。
「多くの公営住宅では、建物の老朽化や、住人の高齢化による地域活動の衰退が課題になっています。群馬県では、空室の多い県営住宅のワンフロアを改修し、公営住宅としては日本で初めて、シングルマザー向けシェアハウスとしての運営に乗り出しました。全7戸はこの2年ほど、満室の状態が続いています。行政が直接シェアハウスとして運営する背景と、その仕組みについて群馬県の担当者に話を聞きました。
■住まい確保に支援を必要とする子育て世帯と、老朽化・空室が目立つ公営住宅
2020年に実施された国勢調査によると、群馬県において住まいの確保に配慮が必要とされる子育て世帯、ひとり親世帯の割合は全国平均を上回っており、県内のひとり親世帯数は1万1931世帯です。(中略)
一方で、群馬県が管理している県営住宅は98団地、9987戸です。群馬県の県土整備部によると『老朽化や空き家の増加、入居者の高齢化、自治会運営の担い手不足など複合的な課題を抱えた住宅も多い』と言います。さらに入居率は年々減少傾向にあり、(中略)最新の2025年度は72.8%。空室が3割程度あることについては『老朽化による住宅性能の低下や、立地・間取りが現代のニーズと合わないことに加え、少子化や人口減少に伴う住宅需要そのものの縮小』が背景にあるそう。
特に若い世代は都市部の物件に申し込みが集中する傾向があり、郊外にある県営住宅では入居者の高齢化や、自治会運営の担い手不足などの課題を抱えています。
■始まりは庁内の「政策プレゼン」。公営住宅をシングルマザー向けのシェアハウスに
これらの課題を解決する方法の一つとして群馬県が取り組んだのが、老朽化した建物の長寿命化改善を実施する際に、ワンフロアをシングルマザー専用のシェアハウスとしてリノベーションし、募集することでした。
なぜ、公営住宅をシングルマザー向けのシェアハウスに活用することにしたのか。そのきっかけは、群馬県庁内で年1回行われる、若手職員が政策を提案できる『政策プレゼン』でした。(中略)
空室となっている公営住宅の利活用として、民間に管理業務を委託したり、事業者側の負担で改修しサブリースしたりする方法は、最近他の自治体でも見かけるようになりました。しかし、この広瀬第二県営住宅のシングルマザー向けシェアハウスに関しては、運営・管理業務を主に自治体である群馬県の各部署と県の住宅供給公社が行っているのが特徴的です。(中略)
■公営住宅を『安心』『安全』に配慮してリノベーション。母子世帯が子育てしやすい環境に
リノベーションによって、ベビーカーなどを運びやすいようエレベーター1機を新たに設置。外部から不審者が侵入しないよう施錠ゲートを設けるなど、古くなった公営住宅のワンフロアが、母子が安全に暮らせるシェアハウスに生まれ変わりました。
居住スペースも各住戸で施錠ができる玄関扉を設けてプライバシーを確保しているほか、ファミリーに必要な収納を用意。もともと独立型だった台所は、お母さんが家事をしながらでも子どもの気配を感じられるよう、LDKの間取りになりました。各世帯の居住スペースとは別に、ゆとりのある共有リビングもあり、入居者なら誰でも利用できます。(中略)
入居する母子世帯の多くは、入居時に母一人、未就学の子ども一人の家庭です。こども・子育て支援課の近藤さんによると『子どもの小学校や中学校の途中で学区が変わることを避けたいためか、一度入居した後は長く住み続ける家庭が多い』そうで、2023年5月以降、常に満室の状態が続いています。
『現在入居しているのは、小学生以下の子どもがいる母子7世帯です。やはり、改修したばかりで内装もきれい、民間賃貸住宅を借りるより安価で済む点、オートロックで安心というところが、人気の理由でしょう。(中略)』(近藤さん)
■家賃も手ごろで安心、子どもたちが過ごしやすい環境も
別の家族同士が一定の共有スペースの中で暮らすので、シェアハウスの日々の暮らしにおいては、ある程度のルールが必要です。開設した当初はコーディネーターが間に入ってルール作りなどをサポートしていたものの、今は長く住んでいるシングルマザーが中心になって、ボランティアで水道光熱費を集めるなどのまとめ役を買ってくれています。(中略)
また、共有リビングをつくったのは、シングルマザー同士の交流が生まれ、悩みなどを共有して支え合えればという思いがありました。しかし実際は、開設後すぐにコロナ禍で人と接する機会が減ったこともあり、キッチンを個人で使うことはあっても、行政サイドが期待していたような住民同士の積極的な交流は、あまり進んでいない様子。ただシングルマザー同士が自然発生的にLINEを使って連絡を取り合っているなど、プライバシーを守りながら適度な距離を保って暮らしているようです。(中略)
■シェアハウスが若い世代を呼び込み、地域の活性化に
広瀬第二県営住宅は団地内にシェアハウスを導入したことで、若い世代の入居が進み、団地に活気が生まれました。あわせて空き家の有効活用や地域開放スペースの整備により、高齢者も含めた多世代交流の機会が創出され、地域コミュニティの再生にも一定の効果が見られるそうです。
一方で、改修費用や運営の人的負担が大きく、さらに同じような取り組みを広げていくには課題があるとも。
こども・子育て支援課の近藤さんは『共有リビングの設置のほか、DV被害から逃げてきた母子の安全確保をするための設備投資がかかります。共同生活に伴うトラブル解消や支援の人的支援も必要』と、一般的な公営住宅よりも費用がかかることを課題としてあげています。(中略)
群馬県では、住まい確保に困っている人たちへの支援、空き家活用や地域の活性化にも一定の成果を上げている広瀬第二県営住宅の取り組みが、庁内のプレゼンから実現し、部署間の横の連携を生み出しています。
さまざまな課題を拾い上げ、きちんと向き合い、県政に活かしていこうとする政策プレゼンの制度はとても興味深い取り組みです。行政でもこのような柔軟な発想を活かす仕組みが広がり、今後も多くの課題解決につながることを期待しています。(取材協力/群馬県・マザーポート)」
和田文氏によるリポートは詳細なデータと丁寧な取材に裏打ちされた非常に完成度の高いものになっています。自治体が取り組む公共事業ということで、シェアハウス大家さんにとってはおいそれと真似できるような内容ではありませんが、できればリンク先で元記事をお読みになることをおすすめしておきます。

最後に、11月19日付で東京シェアハウス合同会社が運営する「東京シェアハウス」が発信したプレスリリースをご紹介しておきます。「『首都圏20代〜30代一人暮らしの孤独感に関する実態調査』 孤独感や寂しさを感じている人が4割強」( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000159140.html )というタイトルの通り、将来的にシェアハウス入居者となりうる若者世代の意識のアンケート調査です。詳細はリンク先をご確認いただくとして、小見出しのみ列挙していくと
■首都圏で一人暮らしをしている20代〜30代の男女の4割強が、現在の一人暮らしにおいて、孤独感や寂しさを感じることがある
■首都圏での一人暮らしにおいて孤独感や寂しさを感じることがある20代〜30代の男女の45%以上が、プライベートな時間で、人と対面で交流する機会が「週1回未満」しかない
■孤独感や寂しさを感じる時は主に「体調を崩した時」や「休日に誰とも会話しなかった時」
■孤独感や寂しさを感じた時の対処方法トップ3は、1位「動画配信サービスの視聴」、2位「趣味への没頭」、3位が「SNSの閲覧・投稿」
■首都圏での一人暮らしにおいて孤独感や寂しさを感じた時にその対処をしている20代〜30代の男女の85%以上が、その対処によっても、孤独感や寂しさは「根本的に解消されていない」と感じている
■首都圏での一人暮らしにおいて孤独感や寂しさを感じた時にその対処をしている20代〜30代の男女の65%以上が、プライベートな時間において、人との交流を「増やしたい」と考えている
……といった内容になります。これらの傾向を踏まえた上で、お手持ちのシェアハウス物件の住環境や稼働状況を改めて見直してみるのも面白いかもしれません。

12月19日の金融政策決定会合において、政策金利の引き上げが決定しました。長期金利は19年ぶりに2%超となり、短期金利は30年ぶりの高水準となる0.75%となります。これに伴い、住宅ローンは変動金利型も固定金利型も引き上げられることとなり、多くのシェアハウス大家さんにとってその影響は小さくないでしょう。とはいえ――いずれこうなることはかなり前から予想されていたわけですし、今さら騒いだところで状況は変えられません。それよりも、自分自身の置かれている現状と、これまでに入手してきた情報、これから入手する情報を吟味していけば、いかなる変化の時代にあってもおのずと最善手を見つけられるのではないでしょうか。
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