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第144回 2026年とシェアハウス

あけましておめでとうございます。本年も当コラムをよろしくお願いいたします。2026年の年明け早々、米軍によるベネズエラ攻撃の報が飛び込んで参りました。21世紀もすでに四半世紀を過ぎたというのに、大国のメンタリティはあいかわらず20世紀末の感覚を脱していないようです。この件に関しては迂闊な論評を避けた高市早苗首相は――さすがに、対中問題で少しは学習したものと思われますが――国内に向けては、またまた予想外のことを言い出しました。1月14日、高市首相が与党幹部に対して衆院解散の意向を伝えたことが報じられました。前週末から解散総選挙を匂わせてはいましたが、どうやら23日召集の通常国会の冒頭で解散を宣言するとのこと。正確な日程は調整中ながら、1月下旬告示、2月上旬投開票を想定しているようです。高市政権は現時点で7割超の高い支持率を誇っていますが、これを背景に大幅な議席増を見込み、政策決定をスムーズにしようという狙いでしょう。自民党・鈴木俊一幹事長は、勝敗ラインを「自民・維新両党で最低限、過半数の確保」とする考えを示し、現在の内閣支持率からすれば達成は難しくないと思われますが……。「経済問題を優先する」と言っておきながら、ここで解散すれば今会期内での予算案成立はほぼ不可能と予測されるだけに、野党のみならず、識者や与党内の一部からも疑問の声が上がっているようです。

さて、年が明けてもあいかわらず先行き不透明な世の中ですが、当コラムでは今年も直近のニュースの中からシェアハウス大家さんに関心のある話題をピックアップしてご紹介して参りたいと思います。まずは、上記の解散総選挙の話題と同じ1月14日、(一財)建設経済研究所と(一財)経済調査会経済調査研究所が公表した「建設経済モデルによる建設投資の見通し」(2026年1月)( https://www.rice.or.jp/wp-content/uploads/2026/01/260114-model.pdf )の話題から。建設経済研究所は「安全で快適な国土の形成と建設産業の発展に資するため、社会資本整備及び建設産業のあり方等に関して理論的かつ実証的に調査研究を行う非営利・独立の研究機関」とされています。なにやら小難しい、堅苦しい用語の羅列で頭が痛くなりそうですが……。ともあれ、上記のリポートは、国民経済計算(四半期別GDP速報)の2025年7〜9月期・2次速報を踏まえて、2025・2026年度の建設経済を予測したものになります。これによれば、2025年度の建設投資全体は76兆6,800億円(前年度比4.7%増)となり、このうち政府分野投資は23兆1,200億円(同3.2%増)、民間住宅投資は16兆3,600億円(同1.2%増)と予測されています。一方、2026年度の建設投資全体は、81兆700億円(同5.7%増)と、前年度と比べて増加の見通しとなっており、政府分野投資は24兆9,200億円(同7.8%増)、民間住宅投資は17兆900億円(同4.5%増)を見込んでいます。2025年度は、民間住宅投資こそ微増していますが、これはもっぱら建設費(材料費+人件費・諸経費)の高騰によるもので、住宅着工戸数を見ると73万7,000戸(同9.8%減)と1割近くも減少しています。この理由について同研究所は「省エネ基準適合義務化等に伴う前年度の駆け込み需要の反動によるもの」と分析しており、この反動減からの回復が見込まれることから、2026年度の住宅着工戸数は77万7,000戸(同5.5%増)と予測しています。いずれにせよ、純粋に経済動向からの予測値ですから、昨今のように政治的・外交的な情勢の変化や大規模自然災害の発生など、さまざまな不測の事態がいともたやすく起こり得る状況にあっては――「机上の空論」とまでは申しませんが――あくまで一つの目安というくらいに考えておいたほうが無難でしょう。

続いて、1月13日に(公財)東日本不動産流通機構が公表した「月例速報 Market Watch サマリーレポート 2025年12月度」( http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_202512_summary.pdf )の話題です。当コラムではお馴染みのデータですが、これによると、2025年12月の首都圏中古(既存)マンション成約件数は3,975件(前年同月比25.9%増)となり、14ヶ月連続で前年同月を上回っています。2025年の1年間は、1月から12ヶ月連続で2桁超の大幅増となりました。都県別に見ていくと、東京都2,096件(同23.6%増)、埼玉県484件(同45.3%増)、千葉県435件(同15.4%増)、神奈川県960件(同27.7%増)となり、1都3県すべてが大幅に増加していることがわかります。
1平米当たりの平均成約単価は85万800円(同9.0%上昇)で、2020年5月からじつに68ヶ月連続で上昇。1戸当たりの平均成約価格は5,340万円(同8.2%上昇)で、こちらも14ヶ月連続で上昇しています。一方、平均専有面積は62.77平米(同0.7%縮小)、平均築年数は27.35年(同1.98年増加)となっています。要するに、「マンションはどんどん古くなり、部屋はどんどん狭くなっているのに、価格はどんどん高くなっている」という状況であり、にもかかわらず「売れ行きはどんどん増えている」という、不動産屋さんにとっては笑いの止まらない状況と言えるでしょう。さらに、新規登録件数は1万4,601件(同2.0%増)と6ヶ月ぶりに増加し、在庫件数は4万3,381件(同3.6%減)と5ヶ月連続で減少しています。つまり「在庫はどんどんはけて、おまけに仕入れもできた」という、文句のつけようのない状況にあるわけです。戸建て物件に目を向けると既存戸建ての成約件数は1,859件(同59.0%増)で、同じく14ヶ月連続で増加しています。しかも、2025年の増加率は12ヶ月連続で30%超を記録し、直近5ヶ月に限れば増加率は50%を超えています。都県別でも1都3県すべてで大幅に増加しており、とりわけ埼玉県は前年同月から84.2%増となっています。一方、平均成約価格は小幅ながら3ヶ月ぶりに下落に転じ、新規登録件数こそ2ヶ月ぶりに微増したものの、在庫件数はじつに40ヶ月連続で増加しています。既存戸建てに関しては、売れる物件と売れない物件の二極化が進んでいる状況が読み取れます。その意味で、物件の取得をお考えのシェアハウス大家さんとしては、現在はマンションよりも戸建てが狙い目になる……と、言うことができるかもしれません。ただし、データはあくまでデータであり、市場全体の大まかな傾向を示しているだけに過ぎません。最終的には、個々の物件および周辺の環境をその目で実見した上で、慎重に判断しなければならないのは言うまでもないでしょう。

次に、1月9日付で野村不動産ソリューションズ(株)が発表した「『住宅地価INDEX』 2026年1月1日時点」( https://www.nomura-solutions.co.jp/news/pdf/20260109.pdf )の話題です。これは同社が四半期ごとに実施している定点調査で、調査地点数は全国239ヶ所に上りますが、ここでは首都圏のデータに注目したいと思います。2000年1月を100とした2026年1月1日時点の住宅地価INDEXは、首都圏で120.7(前回調査比2.3%上昇)となり、2020年第4四半期から22四半期連続で上昇しました。エリア別では、東京区部が165.9(同1.8%上昇)と22四半期連続、東京都下は114.7(同0.4%上昇)と6四半期連続、神奈川県は103.0(同1.2%上昇)と8四半期連続、埼玉県は126.1(同3.1%上昇)と4四半期連続、千葉県は101.9(同5.3%上昇)と3四半期連続でプラスとなっています。東京区部では港区、新宿区、世田谷区、杉並区などの幅広いエリアで上昇傾向が継続しており、東京都下では上昇率こそ縮小したものの、価格は安定して推移しています。また、神奈川県・埼玉県・千葉県では上昇率が大幅に拡大しており、同社では、都心での価格高騰を背景に、都心への通勤圏内のエリアに住宅購入検討者が流入していることが要因ではないかと分析しています。
こうした地価の上昇と、最初の話題で取り上げた民間住宅投資の増加(直接的には、その要因となった建設費の高騰と、それによる住宅着工戸数の減少)が、新築住宅の高価格化をもたらし、それが2つ目の話題で取り上げた中古(既存)住宅の売れ行きの好調に結びついている、と言うことができるでしょう。とはいえ、この状況がさらに進行すれば、「都心部の新築物件は、庶民にとってはもはや逆立ちしても手の届かない?高嶺の花?だ」という、1990年代初頭のバブル期の状況が再現しないとも言い切れません。

もう1つ、1月5日に(独)住宅金融支援機構が発表した「取扱金融機関が提供する『フラット35』(買取型)の2026年1月の適用金利」( https://www.simulation.jhf.go.jp/flat35/kinri/index.php/rates/top )の話題にも簡単に触れておきましょう。シェアハウス大家さんを含めて、住宅購入者の多くが利用している「フラット35」ですが、今回の改定により、「融資率9割以下・借入期間21年以上」の金利は、年2.080%(前月比0.110%上昇)〜年4.740%(同0.230%上昇)となり、取扱金融機関が提供する最も多い金利(最頻金利)は、2017年10月の制度変更以降で初めて年2%台を記録しました。なお、「融資率9割以下・借入期間20年以下」の金利は年1.710%(同0.130%上昇)〜年4.370%(同0.250%上昇)で、最頻金利は年1.710%となっています。金利の上昇はさまざまな社会的要因の結果ですから、必然的かつ必要な措置であると納得することはできますが、住宅ローンの支払い負担が増加することは、やはり、庶民にとっては歓迎できない事態でしょう。ここまで見てきた業界動向予測にとっても、無視できない影響を及ぼすことが懸念されます。

最後に、ちょっと興味深いプレスリリースを1本ご紹介しておきます。
「空き家を外国人材の住まいに再生 企業向け外国人社宅サービス『外国人材シェアハウス』提供開始」( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000077.000120610.html )という見出しにある通り、外国人材(技能実習生や特殊技能者)を雇用する企業が借り上げて自社の外国人材を住まわせるための社宅とするシェアハウス、という試みです。しかも、使用する物件は空き家をリノベーションしたもので、空き家問題の解決にもつながるという、一石二鳥・三鳥のアイデア。群馬県伊勢崎市の会社が企画したもので、現地には中南米などから来日した外国人材が多く住んでいること、また空き家物件が点在していることなどから発想したものと思われます。さらに、少子高齢化による就労人口の減少に伴い、多くの日本企業が外国人材の雇用に積極的になっていることから、将来性も十分に期待できるビジネスモデルと言えるのではないでしょうか。

先行き不透明な日本社会では、個人であれ事業者であれ、好むと好まざるとに関わらず、生き残りのために知恵を絞り、努力をし続けなければなりません。そのためのヒントは、じつはそこらじゅうに転がっています。ヒントに気づき、チャンスを掴むには、やはり日頃からの情報収集が大切です。毎度同じ結論になりそうですが、当コラムは2026年も幅広い方面にアンテナを伸ばし、一つでも多く皆様のお役に立てる情報を提供できればと考えております。
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