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第10回 シェアハウス経営の落とし穴その5

2010年も早2ヶ月が経過いたしましたが、年明け以降、テレビや雑誌、書籍などさまざまなメディアで「シェアハウス」がクローズアップされるケースが目立って増えてきたように思います。

リクルート社の運営する住宅関連サイト「SUUMO(スーモ)」では2月17日、「部屋選びが変わる“イマドキ賃貸”の最新事情をチェック!」と題する記事を公開していますが、その中で注目トレンドの第1番目に「シェアハウス」を取りあげています。同サイトの実施したアンケート調査によると、20〜39歳の独身男女209名中、シェアハウスに「過去に住んでいたことがある」との回答は4.4%にとどまったものの、「住んだことはないが興味がある」が28.2%、「(このアンケートをきっかけに)興味を持った」が12.1%と、回答者の44.7%がシェアハウスに関心を抱いているという結果が出ています。過去の当コラムでも申し上げましたが、世間の認知度が高くなることは、シェアハウス経営を志すサラリーマン大家さんにとってまたとない追い風といえるでしょう。ただし、このままこの傾向が続けば、今後は大手を含めたシェアハウス事業への新規参入が本格化し、競合が増えていくことも予想されます。その意味でも、これからのシェアハウスには「テナントに選ばれる」ための差別化が重要になってまいります。

さて、今回のお題は、適正な家賃設定の手法についてです。前回は「損益分岐点」「物件のグレード」「周辺競合物件の賃料相場」の3つを知っておくことを申し上げておきましたが、まだまだ重要なポイントがあります。競争力の高いオンリーワンのシェアハウスづくりに欠かせない「コンセプトメーク」、そしてそれを具体化するための「家具・家電・設備」などです。たとえば、「バイク乗りが集まるシェアハウス」というコンセプトを実現しようとすれば、大型バイクが何台も停められるガレージが必要になります。女性専用のシェアハウスと男女共用のシェアハウスでは、水回りの設備や洗濯機などの家電、リビングに置くソファやテーブルなども変わってくるでしょう。このように、「入居者が何を求めているのか?」をつきつめて考えていくと、おのずと家賃設定についても適正なラインが見えてきます。ちなみに、上記の「SUUMO(スーモ)」では同日、「賃貸のお部屋『絶対欲しい設備』『なくてもいい設備』ランキング」という記事も発表しています。こちらはアパート・マンションなどの一般賃貸を対象としたアンケートですが、シェアハウス経営の場合でも参考になる部分が少なくありません。特に、最後の「『家賃が高くなるなら、なくてもいい』設備・仕様について」という部分。オーナーの考えと、入居者の考えの温度差が如実にあらわれています。どんなに画期的なコンセプトを思いついたとしても、それがコアターゲットとなる入居者にとって魅力のないものであれば、家賃を高くする根拠とはなりえないのです。

それではいっそ、設備は必要最低限に抑え、格安の家賃を設定したらどうなるか? 入居者の質が落ち、人間関係のトラブルなどから定着率が悪くなることが予想されます。しかも、格安の家賃に魅力を感じるような入居者ですから、家賃滞納などのトラブルが増えることも考えられます。
「高すぎてももちろんダメ」「かといって安すぎてもダメ」……適正な家賃を設定してこそ、いつも満室稼動する優良シェアハウスを作りあげることができるのだと覚えておいてください。

次回からは、新しいテーマに入りたいと思います。

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