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第20回 遊休不動産シェアハウス活用術その4

景気の「二番底」を懸念する声は依然として根強いものの、日本経済にもどうやら少しは明るい兆しが見えてきたように思われます。とはいえ、夏の空模様と同じく変わりやすいのが景気動向ですから、楽観視は禁物ですが。

さて、住宅生産団体連合会(住団連)は7月29日、「平成22年度7月 経営者の住宅景況感調査結果報告」を発表しました。これは、住団連の会員15社の経営トップに対して直近3ヶ月間の実績と、今後3ヶ月間の見通しを聞き、指数化したものです。 これによりますと、4〜6月の実績としては総受注戸数が3期連続で対前期比プラス、総受注金額も2期連続プラス。戸建分譲住宅はマイナスでしたが、戸建注文住宅や賃貸住宅のプラス傾向で全体を牽引したようです。エコポイント制度や贈与税の非課税枠拡大などの政策による下支えもあったようです。なお、7〜9月の見通しも、総受注戸数・総受注金額とも前期に続いてプラス予想となっています。

同じ29日、アットホーム(株)2010年6月度における首都圏の新築戸建住宅および中古マンションの登録価格・成約価格について発表しています。このうち、中古マンションについては、登録価格は首都圏平均で2,211万円(前年同月比14.3%増)で7ヶ月連続のプラス。前月比は▲0.9%と3ヶ月ぶりにマイナスとなりました。また、成約価格は2,129万円(同7.3%増)と6ヶ月連続のプラス、前月比も2.0%増で3ヶ月ぶりにプラスとなっています。1平米当たりの成約価格は34万1,800円(同9.6%増)で、6ヶ月連続のプラスでした。

ちなみに、その1週間前の22日、東京カンテイが発表した6月の首都圏の中古マンション価格(70平米換算)は3,083万円(前月比4.7%増)で、20ヶ月ぶりに3,000万円台を回復しています。これを1平米当たりに換算すると44万428円となり、上記のアットホーム調べ、また前回の当コラムでご紹介した東日本不動産流通機構調べと比較してもかなり高額となっていますが、これは東京カンテイの数値が同社データベースに登録された「売り希望価格」であるためで、実際の成約価格はかなり下ぶれしているものとみられます。

これらの調査結果を踏まえて現在の市況を分析すると、「高く売りたい」売主側の意向と「安く買いたい」買主側の意向はこれまでのところ一定のバランスを保ってきましたが、ここへ来て、売主側の意向が強くなってきているようです。当コラムをお読みのサラリーマン大家さんにはあまり直接的な関係はなさそうですが、売買をお考えの方は、売り時・買い時のタイミングをひとつ見誤ると、プラス・マイナスかなりの損失が生じることになるかもしれません。また、当面の間不動産を売却するつもりはなくても、出口戦略について考えておくにこしたことはありませんから、市況の変化には常に目を配っておく必要があります。

ところで、中古マンションや戸建住宅に比べて、オフィスビルの出口戦略にはまた違った難しさがあります。不動産ファンドが中古オフィスビルを買いあさっていた時代ならいざ知らず、ここ2〜3年の傾向としては、よほどのダンピングでもしない限り、中古ビルの買い手はそう易々とは見つからないものです。そこで、コンバージョン(用途変更)によって物件価値を高めようという動きが活発になってきました。とりわけ、利益率の高いシェアハウス化が改めて注目を集めています。中古オフィスビルの場合、シェアハウス化する際のメリットは何といっても立地です。一般に、駅からの距離はオフィスビル > マンション > 戸建の順番と考えられますから、それだけ入居者にとって魅力となります。また、立地によっては、周辺の家賃相場より多少割高に設定しても十分な競争力となります。

逆に、中古ビルならではのデメリットとしては、リフォーム工事費がかなり割高になるということ。一般的な中古ビルでは、水回りは給湯室とトイレくらいしかありませんし、もともと居住性を考えて造られていないため、防音性や保温性などにも問題があるかもしれません。つまり、入居者から見て魅力的な、住んでみたいと感じてもらえるようなシェアハウスをつくる土台としては、いろいろクリアしなければならない課題があるようです。

次回も引き続き、遊休不動産のシェアハウス化について考えていきたいと思います。

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