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第10回 景気回復とシェアハウス

今年のGWは、職場によっては9連休以上にもなろうという大型連休でしたが、事故や災害のニュースが世間を騒がせたGWでもありました。まず、開幕早々の4月29日未明、関越自動車道で高速ツアーバスの大事故が発生し、高速道での単独事故死者数としては過去最多となる死者7人・重軽傷者39人という甚大な被害をもたらしました。さらに、連休後半の5月2日から4日にかけては、日本列島の太平洋側を低気圧が北上し、各地で「観測史上最大」を記録する大雨となりました。この影響で、土砂崩れや道路陥没などの被害が相次いだほか、岩手・宮城・福島などの震災被災地では避難指示や避難勧告が出された地域もあり、避難所で不安な一夜を過ごした方も少なくなかったようです。何かと不穏なムードが続く今年、まだまだ油断は禁物と言ったところでしょうか。

さて、連休前の4月27日、
(社)住宅生産団体連合会(住団連)「経営者の住宅景況感調査(4月度)」を発表しました。これは年4回、同団体法人会員17社の経営陣に対して、戸建て・低層賃貸住宅市場の景況感についてアンケートしているものです。これによると、2012年1〜3月期実績の景況判断指数は、前年同期比で総受注戸数+29ポイント、総受注金額+46ポイントとなり、戸数は4期連続、金額は9期連続してプラスとなりました。前期に比べて戸数・金額とも+ポイントがさらに増え、順調な景気回復傾向が読み取れます。経営者たちの声としては「景気の回復気配があり、市場が動き出している様相」「被災地エリアの復興受注、株式市場等の好転による消費者マインドの改善により、受注増加」など、全体としてプラス基調を感じさせるコメントが多く見られました。さらに、2012年4〜6月期の見通しについては、戸数・金額ともに+54ポイントと、引き続き大幅なプラスが予測されています。これについてのコメントは「気候要因も良く受注が活性化する時節。消費増税の動向を注視し、消費マインドの機を捉える」「市場環境に変化はなく、被災地エリアの需要や震災後の高性能住宅への関心の高まりから、受注は堅調に推移すると予測する」など、景気の先行き不透明感への懸念を含みつつ、堅調に推移するとの予測が多かったようです。

また、アットホーム(株)が27日に発表した「首都圏居住用賃貸市場動向(2012年3月期)」によると、首都圏の居住用賃貸成約件数は4ヶ月連続の増加で3万3,390件(前年同月比17.2%増)となり、1992年4月の調査開始以来、過去20年間で最高となったそうです。震災の反動はあるものの、全エリアで2ケタ増。増加幅は神奈川県を除いて前年の減少幅を大きく超え、特に埼玉県についてはファミリー向けマンションとシングル向けアパートが好調で4ヶ月連続で2ケタ増となったと分析しています。

さらに、国土交通省が27日に発表した「建築着工統計調査報告」によれば、2011年度の新設住宅着工戸数および新設住宅着工床面積は、いずれも2年連続で増加となっています。ちなみに、2012年3月期の新設住宅着工戸数・床面積も2ヶ月連続で対前年同月比が増加していますが、まあ、これは2011年3月期との比較ですから当然の結果かもしれません。なお、同日発表された「木造3階建て住宅及び丸太組構法建築物の建築確認統計」によれば、2012年2月分の木造3階建て戸建て等住宅の建築確認件数は前年同月比8.4%増、このうち共同住宅の戸数については同44.2%増となり、また丸太組構法建築物棟数は同17%増となっています。こちらは震災前との比較ですから、伸び率を素直に受け止めて良いでしょう。そして5月1日に発表された2012年3月期の土地取引動向調査によると、「現在の土地取引状況の判断」についてのDI(「活発である」から「不活発である」を引いた数値)は東京など一部の地域でわずかながら上昇し、「1年後の土地取引状況の判断」についてのDIはすべての地域で上昇してします。

これらのデータが示すものは、いまだ楽観できる状況ではないとはいえ、不動産市況がいくらか上向きつつあるという兆候です。できれば、この小さなちいさな火種に水をぶっかけるような消費税増税などはご勘弁願いたいところなのですが……。それが避けられそうもない以上、シェアハウス大家さんとしては、来たるべき増税においても最悪の事態だけは免れるような準備が必要です。この種のデータは原則的に「後追い」での発表となりますが、過去の推移などの傾向を分析することで「先取り」予測することも決して不可能ではありません。定期的に発表されるデータをチェックするだけでなく、先行きを見通すためにくり返しシミュレーションしてみることを習慣づけましょう。

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