不動産関連お役立ち情報  >  新・今月の不動産コラム  >  第12回 リノベーションとシェアハウス

第12回 リノベーションとシェアハウス

米大リーグのイチロー選手が、10年以上在籍したシアトル・マリナーズからニューヨーク・ヤンキースに電撃トレードされました。去年、そして今年と、いささか精彩を欠いていたイチロー選手ですが、環境が変わったことで心機一転。移籍翌日、いきなり古巣マリナーズとの試合に先発出場したかと思うと、その第一打席でヒットを放つなど、ひさびさに「らしい」活躍でスタジアムを沸かせました。38歳という年齢は決して有利な条件とはいえませんが、このチャンスを活かし、新しい環境で末永く活躍することを期待したいものです。

「環境を変えて末永く……」というと、住まいで言えばリフォーム、リノベーションといったところでしょうか。前回の当コラムではリフォーム市場の盛り上がりを取り上げましたが、市場規模や中古物件数などの“量”の拡大だけでなく、デザインなどの“質”の向上を目指す動きも、このところ目立って増えてきました。

(社)日本増改築産業協会(JERCO)「リフォームデザインコンテスト2012」の開催を発表、応募作品の受付を開始しています。これは、JERCOがリフォーム・リノベーション産業の活性化に向けた活動の一環として年1回開催しているもので、今回でちょうど20回目に当たります。全面リフォームと各部分のリフォーム、戸建とマンションなど、さまざまな部門に分けられ、設計者または施工者を表彰するというものです。JERCOによると、「良いリフォームとは、単に古いものを新しくするだけではなく、顧客の潜在的な要望を引き出し、それに対して魅力的なデザインと機能を両立させ、ライフスタイルそのものを良くしていくことだと考える。本コンテストではデザイン=美しい・キレイだけではなく、それらに耐震性、断熱性、省エネ、バリアフリー、コストパフォーマンスなどを加えて、広い意味でのデザインを評価する」とのことです。

また、(社)リノベーション住宅推進協議会では「第2回リノベーションアイデアコンペ」を開催中です。これは9月16日からスタートする「リノベーションEXPO JAPAN 2012」で入選作品の発表および最終審査などが実施される予定。「リノベーションEXPO JAPAN 2012」は、リノベーション住宅の普及啓発を推進するイベントで、北海道を皮切りに全国7ヶ所をリレー形式で開催されます。こちらは一般消費者をターゲットとし、“見て聞いて学ぶリノベーション”をコンセプトに、セミナーや見学会、ワークショップ、トークショー、パネル展示など楽しみながら学べるコンテンツを用意するとのことです。

こうした一般公募のコンテストやコンペの取り組みは、民間レベルでもさかんに行われています。

たとえば、(株)エイブルは「TOKYO DESIGNERS WEEK2012」に連動するBSのテレビ番組内で、30歳以下の若手クリエイター発掘を目的にした空間デザインコンペティションを開催すると発表しています。「TOKYO DESIGNERS WEEK2012」とは、建築からインテリア、プロダクトなどのデザインのみならず現代アートや音楽イベント、ワークショップなども開催するデザイン&アートの祭典。コンペティションは、番組内のコンペティションコーナー「THE PRESEN」で行われ、ワンルーム20平米の賃貸住宅の部屋を条件に「人が集まれる部屋」をテーマに空間デザインを募集するというものです。

さらに、(株)長谷工コーポレーションでは建築を志す学生を対象とした「長谷工 住まいのデザインコンペティション」を開催します。これは、同社が若手の人材育成を目的として実施しているもので、今回は、環境問題や少子高齢化を見据えた建築ストックの「リノベーション」を課題としています。縁のある身近な土地を想定し、その場所や建物をリノベーションすることによって、「未来につながるような新しい集合住宅の提案」を募集するとのことです。

これらのコンテストやコンペティションは、シェアハウス大家さんにとって直接的にはあまり関係のないイベントに思えるかもしれませんが、中古不動産のリフォーム、リノベーションの可能性を「デザイン」の面から考えるとき、いろいろな意味で参考になるはずです。あなたのシェアハウス経営に役立つ目からウロコのユニークなアイディア、身近な場所に住む意外な才能との出会いが待っているかもしれません。今後、建築デザイン関係の雑誌などで取り上げられる機会も多いでしょうから、マメにチェックされることをオススメします。

いっぽう、企業福利厚生の総合アウトソーサーの連結子会社としてこれまでに15棟・約300室のシェアハウスの運営実績を持つ某社が、東京・練馬区に起業家やスキルアップを志向する会社員などをメインターゲットとした全40室のシェアハウスをオープンしました。また、倉庫業と賃貸マンション経営を手がける某社は、東京・中央区の自社所有地に全644室からなる大型シェアハウスの新築工事に着手しています。こちらは来年7月の竣工を予定しているとのことです。このように、資金力のある企業でさえ、コンセプトや規模などで競合との差別化を図り、次々に魅力的なシェアハウスを市場に送りこんできています。個人経営のシェアハウス大家さんにとっては、生き残るためにあらゆる努力を惜しまないことが大切です。そのためにも、勉強する機会は多ければ多いほどよいでしょう。
前
第13回 価格動向とシェアハウス
カテゴリートップ
新・今月の不動産コラム
次
第11回 リフォーム市場とシェアハウス

ログイン

ユーザー名:

パスワード:


パスワード紛失


シェアハウス大家さん
倶楽部(無料)

シェアハウスで不動産投資に踏み出すサラリーマンやOLの皆様を応援する会員制プログラムです。ご登録いただくと各種不動産投資情報やサービスを無料提供致します。
入会申込(無料)