政権交代から早くも2ヶ月が過ぎようとしています。年末年始を挟んだ特別な時期ではありますが、この間にも日本経済にはさまざまな動きが見られました。いわゆる“アベノミクス効果”がいつまで続くものか、という疑問はなきにしもあらずですが、円安傾向は2月に入っても衰えを見せず、2月15日現在で1ドル=92円台前半で推移しています。ほんの2ヶ月前には1ドル=78円前後だったことを思えば、呆れるほど急激な環境の変化といえるでしょう。もちろん、円相場がそのまま日本経済の好調を意味するわけではありませんが、財界人の多くはこの変化を歓迎しているようです。その一方で、安倍政権の推進する増税政策は、2%台の経済成長という指標のもとに、確実に実行されようとしています。はたして、景気回復が生活水準を引き上げるのが早いか、増税が生活を圧迫するのが早いか……世帯によって違いが出てくることでしょうが、その分かれ目が新たな格差の始まりになるかもしれません。
さて、経済成長の指標のひとつになりそうなのが不動産の市場動向。まずは、去る2月12日、(公財)東日本不動産流通機構が発表した東日本レインズの「2013年1月度月例速報」から見ていきましょう。1月の首都圏の中古マンション市場は、成約件数は前年同月比を5ヶ月連続で上回り、成約価格(?単価)は前年同月比で19ヶ月ぶりに上回りました。ちなみに、成約価格(?単価)は前月比で4ヶ月連続上昇していますが、12月までは毎月1%未満の伸び率だったのに対し、1月の伸び率は一気に3.7%増。これも“アベノミクス効果”といったら、ちょっと出来過ぎな気もしますが……。また、同時期の首都圏の中古戸建住宅市場を見ると、成約件数は前年同月比で14.6%増。特に神奈川県では前年同月比46.1%増となっており、これが首都圏全体の成約件数を底上げしているのがわかります。ただし、成約価格については東京を除いて軒並み下落となっています。
中古マンションにせよ中古戸建住宅にせよ、中古とはいえ不動産ですから、そうそう気軽に購入できるものではありません。こうした高額商品市場の場合、政府の経済政策がそんなに早く成果に結びつくとは限らないのですが、今回は経済政策が増税(減税措置の打ち切り)とセットになっているところがポイントです。住宅ローン減税の期間終了についてはとりあえず4年間の延長が決まりましたが、不動産購入に当たって必要となる費用は住宅ローンばかりではありません。景気が回復し、消費税率が引き上げられれば、それだけ購入時の負担額が増えることになるのです。
少し前になりますが、2月8日に(株)長谷工アーベストが発表した「お客様意識調査」の結果を見てみましょう。これは年明け早々の1月11日、同社が首都圏在住のモニターを対象にWebアンケートを送付し、2,272件の回答を得て集計したものです。これによると、住宅の買い時感については「買い時だと思う」との回答が30%と、前回2012年10月の調査結果から7%増になり、「買い時か分からない」との回答は51%で前回より5%減となったそうです。買い時だと思う理由については、「金利が低水準」が72%でもっとも多かったものの、「今後は、金利が上がると思う」が40%(前回から25%増)、「今後は、価格が上がると思う」が30%(同13%増)、「今後は、景気が良くなると思う」が16%(同13%増)など、今後の景況予測を根拠として「買い急いでいる」感があります。
「近い将来、どんな変化が起こるかを予測し、今のうちから備えておくこと」が大切なのはどんな業界でも同じですが、ことに高額商品である不動産業界の場合、予測される変化の影響はそれだけ深刻なものになります。未来予測というのは、たんなるヤマ勘やアヤシゲな予言のように神秘的なものではなく、キチンとした調査と統計に基づいて科学的な導き出されるものです。できるだけアンテナを広げ、数多くのデータを収集するのはもちろん、刻々と変わりつつある状況の変化を把握するために必要なのが「定点観測」の手法です。さまざまなデータをただ集めるだけでなく、定点観測を行ってその変化を読み解くこと。そうした習慣を身につけることは、シェアハウス大家さんにとっても必ずプラスとなるはずです。
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