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第33回 解散総選挙とシェアハウス

11月22日22時8分頃、長野県北部を震源とする最大震度6弱の地震が発生しました。「長野県神城断層地震」と命名されたこの地震では、重傷8人を含む負傷者44人、住宅の全半壊は141棟(いずれも24日時点の集計値)という被害が出ていますが、不幸中の幸いというべきか、死者はありませんでした。とはいえ、土砂崩れにより国道の一部が通行止めになり、自宅を被災された200人以上の方は今も避難所で過ごされています。25日から26日にかけては終日雨が降り続き、地震でゆるんだ地盤も心配されます。現地では余震も続いており、なお一層の警戒が求められています。

さて、地震前日の11月21日、安倍内閣は衆議院解散に踏み切り、12月14日に総選挙が行なわれる運びとなりました。安倍首相はこれを「アベノミクス解散」と命名し、アベノミクスの是非を国民に問う総選挙と位置づけているようです。……このあたり、何やら9年前に小泉元首相が唱えた「郵政解散」を連想させます。あのときの選挙は自民党の圧勝に終わり、評論家は「『郵政民営化、是か非か?』と論点を単純化したことが選挙戦の勝利につながった」などとしたり顔で論評したものでしたが……はたして、今回は? 安倍首相は論点の単純化に加えて、消費税率の10%引き上げを18ヶ月先延ばしするという、いささか姑息ともいえる戦術を駆使しており、また解散の時期にしても自民党が完全にイニシアチブを取っていますから、勝利はまず間違いないところだと思われますが……。我々国民としては、与えられた猶予期間をせいぜい有効に活かすことを考えた方がよさそうです。

解散総選挙の告示と前後して、最新の経済指標がいくつか発表されています。まずは、告示前の11月19日に発表された、土地総合研究所の「不動産業業況等調査結果(2014年10月1日時点)」( http://www.lij.jp/search/gyoukyou/g26-10.pdf )から見ていきましょう。これは四半期に1度、三大都市圏および地方主要都市の不動産事業者を対象に、業種ごとにアンケート調査を実施し、経営状況を指数化したものです。同調査によると、住宅・宅地分譲業の指数が6.1(前回調査比4.4ポイント上昇)と、7期連続でプラス水準となったのに対し、不動産流通業(住宅地)はマイナス6.8(同7.5ポイント低下)と7期ぶりにマイナス水準となりました。ただし、前者は「用地取得件数」「モデルルーム来場者数」「成約件数」がいずれも前回調査比で上昇しているものの、すべてマイナス水準。一方で「在庫戸数」も、減少傾向にあると分析しているものの、やはり前回調査比では上昇しています。まともに上昇しているのは「販売価格」のみ。そして後者は、中古マンションの「売却依頼件数」「成約件数」が上昇し、「購入依頼件数」「取引価格」が下落。中古戸建は「売却依頼件数」が下落し、「購入依頼件数」「成約件数」「取引価格」が上昇しています。ただし、上昇している項目のほとんどは依然としてマイナス水準であり、こちらもまともに上昇しているのは「取引価格」のみとなっております。早い話が、中古マンションは売り急いで安く買い叩かれ、中古戸建は売り渋って値段が上がっているという状況でしょうか。さらに、3ヶ月後の経営状況の見通しについては、住宅・宅地分業業、不動産流通業(住宅地)ともにマイナス水準と予測されています。

続いて、告示後の11月25日に発表された東京証券取引所の2014年9月「東証住宅価格指数(既存マンション)」( http://www.tse.or.jp/news/17/b7gje60000051egq-att/HP_j.pdf )です。こちらは2000年を100とした場合の指数ですが、9月時点の指数は首都圏総合で82.17ポイント(前月比0.26%上昇)。地域別に見ると、東京都が88.59ポイント(同0.74%上昇)と反転上昇し、埼玉県も69.08ポイント(同0.61%上昇)と上昇。神奈川県は79.93ポイント(同0.42下落)で2ヶ月連続の下落、千葉県は63.97ポイント(同1.72%下落)で下落となりました。4月の消費税増税直後からの推移を見ると、千葉県を除いて小幅な動きながらおおむね上昇傾向にあることが読み取れます。上記の「不動産業業況等調査結果」の中古マンションの取引価格とは矛盾が生じているように見えますが、これは調査対象範囲(上は三大都市圏および地方主要都市の総計、下は首都圏限定)の違いによるものでしょう。

解散総選挙の結果が大方の予想通り、自民党の勝利(前回のような圧勝となるかどうかは未知数ですが)に終われば、2017年4月の消費税増税はいよいよ待ったなし。もっとも、仮に政権交代という事態が起こったとしても、やはり増税は実施されるのでしょうが……。いずれにせよ、残り29ヶ月足らずの間に、来たるべき不況に備えた資産運用を心がけておくに越したことはありません。シェアハウス大家さんの場合、保有資産である物件を少しでも高値がつくうちに売り抜けるか、あるいは増税前に投資して資産価値の目減りを防ぐか、ということになるでしょう。ちなみに、東京都は2015年1月10日から22日までの期間、「2015冬耐震キャンペーン」( http://www.metro.tokyo.jp/INET/EVENT/2014/11/21obl100.htm )を開催するとのことです。参加費は無料なので、興味のある方は覗いてみては如何でしょうか。
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