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第34回 2015年とシェアハウス

皆様、あけましておめでとうございます。本年も当コラムをよろしくお願いいたします。

昨年暮れに発足した第3次安倍内閣のもと、2015年はさまざまな意味で今後を占う重要な1年になるものと予想されます。1月5日には菅官房長官が首相官邸で内閣官房職員に年頭の訓示を行い、翌6日には安倍首相が政府与党連絡会議で、そっくり同じ内容のコメントを発しています。いわく「今年も経済最優先」「景気回復の暖かい風を全国津々浦々に」云々と。もちろん、官房長官と首相がまるで違った発言をしたら、それはそれで大問題ですが、細かい言い回しまでまったく同一というのはいささか芸がないというか、スピーチ原稿の作成者の手抜きといいますか……。いずれにせよ、今月14日に2015年度予算案を閣議決定する方針を表明しており、安倍首相はこのために「今週末の3連休を返上して、しっかりと新年度の予算編成に当たっていただきたい。景気の正念場を迎える中で、我々は休んでいる暇はない」と訓示したとのことです。その心意気やよし、といいたいところですが、年末年始の9連休明けとあって、民間企業でも今週末は休日返上で出勤される方も少なくないでしょう。シェアハウス大家さんの中には、年末年始もろくに休めなかったという方もいらっしゃるのでは……?

さて、予算編成に先立ち、昨年12月30日には政府与党により2015年度税制改正大綱が発表されました。このうち、住宅・不動産関連では、「住宅取得等資金にかかる贈与税の非課税枠を最大3000万円まで拡充し、適用期限についても2019年6月30日まで延長」「住宅ローン減税、すまい給付金等についても、消費税率10%引き上げの延長に伴い、2019年6月30日まで延長」などの内容が盛り込まれています。このほか、「買取再販事業者が改修工事後に再販する際に課せられる不動産取得税を軽減する特例措置を創設」「空き家の除却・適正管理促進に向けて、『空家等対策の推進に関する特別措置法』の規定に基づく勧告を受けた特定空家等に係る敷地について、固定資産税等の特例措置の対象から除外する」「サービス付き高齢者住宅供給促進へ向けて、不動産取得税・固定資産税の優遇措置を創設。また、住宅要家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の特例措置について2年間延長する」などの項目は、シェアハウス大家さんにとっても関心の高いところでしょう。

これについて、各業界団体の発表したコメントをみると、不動産協会(RECAJ)の木村理事長は「住宅市場を活性化させ、即効性の高い経済対策であり、消費税率引上げに伴う反動減への対応についても最大限配慮されており評価している」、全国宅地建物取引業協会連合会の伊藤会長は「消費税率の引き上げを見据えた住宅資金贈与の拡充やローン減税の延長など、住宅に対して格段のご配慮をいただいた。(中略)事業用買換や固定資産税の軽減措置の継続等も、日本経済の持続的な成長にとって大変大きな成果である」、不動産流通経営協会(FRK)の竹井理事長は「(不動産取得税の特例措置は)中古住宅流通を契機として住宅性能の向上が図られることで、中古住宅流通市場の拡大と住宅ストックの優良化に繋がり、フローからストックへの流れを促進するものとして評価したい」等々、いずれも前向きに評価している声が目立ちます。

とはいえ、これらはいずれも「年頭に発表されたコメントである」という点を割り引いて考える必要があるでしょう。新年早々、あまり景気の悪い話は誰もしたくはありません。その意味で、このお歴々のコメントには期待値が上乗せされています。事実、昨年は4月に消費税増税が予定されていたにも関わらず、各業界団体や不動産大手の発表した年頭所感では、2020年東京オリンピック開催決定を材料にやたら楽観的なコメントが並んでいました。ところが、いざ蓋を開けてみれば、4月以降は想定以上に個人消費が落ち込み、その結果2015年10月に予定されていた消費税増税が先送りされたほどなのですから……。

シェアハウス業界にしても、一時期減少した入居希望者がふたたび増えてきているとの話も聞きますが、そのほとんどが経済的理由による選択だといいます。これは言い換えれば、優良な入居者の割合が減ってきているということ。目先の家賃収入のために誰かれ構わず受け入れていると、のちのち痛い目に遭うことになるかもしれません。あまり悲観しすぎるのも問題ですが、当面は慎重に構えて景気の動向を見据えていくようにするべきでしょう。
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