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第125回 明るい話題とシェアハウス

6月下旬に入り、円相場は1ドル=159円台後半で推移しています。国際決済銀行(BIS)では毎月、世界64カ国・地域の通貨の実力を示す「実質実効為替レート」と呼ばれる指標を公表しており、これは2国間の通貨(ドル・円など)の交換比率を表す為替相場と違って、物価水準や貿易量などを基に通貨ごとの総合的な購買力を測るものです。この「実質実効為替レート」によると、2020年=100とする指標で、2024年5月の円の実質実効為替レートは68・65……つまり、4年前に比べて3割以上下落しているということです。これは、1ドル=360円の固定相場制だった1970年代前半よりも低い水準となり、過去最低を更新しています。2番目に低かった中国の人民元が91・12と1割未満の下落に留まっているのですから、その差は歴然としています。このような厳しい経済情勢の中で、「新札への切り替え」や「マイナ保険証への切り替え」等々、国民に一方的に負担を強いるばかりで何ら恩恵をもたらさない国の経済政策には、ただただ呆れるしかありません。こうした国政の混乱に拍車をかけるように、都知事選でも56名が出馬するという異例の展開。何かと話題だけは提供してくれていますが……やはり、こんなカオスな状況は一日も早く解消してほしいものです。

それでは、今月も直近のシェアハウス関連の話題からいくつかピックアップして参りましょう。まずは、6月21日付『読売新聞オンライン』に掲載された「生活に悩む女性自立へ、支え合う大規模シェアハウスオープン…学習室・キッズスペースも」( https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20240620-OYO1T50059/ )という記事から。一部抜粋して引用いたします。
「低所得など生活に悩みを抱える女性らが暮らし、自立を目指す共同住宅『六甲ウィメンズハウス』が今月、神戸市内にオープンした。複数の民間団体が協力して空き物件を改修し、スタッフが常駐して入居者のサポートまで行う。住まいの確保が難しい女性の支援モデルとして注目される。(島香奈恵)
 整備したのは認定 NPO法人『女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ』(神戸市)と公益財団法人『神戸学生青年センター』(同)。『生活協同組合コープこうべ』(同)が空き物件となっていた4階建ての旧女子寮を提供した。
 1階は店舗で、2〜4階を活用。入り口は1か所で、居室は計3フロアに40室ある。単身・世帯用など広さ19・5〜57平方メートルの8タイプがあり、複数世帯が入居するシェアハウスや共同住宅は各地にあるが、これだけの大規模は珍しい。家具大手『イケア・ジャパン』(千葉県船橋市)が自社製品のテーブルやベッドなどを提供し、温かな雰囲気に仕上げた。
 2階には共用エリアとして、子どもが自由に遊べるキッズスペースや入居者同士が触れ合うコミュニティーカフェ、資格取得の勉強などができる学習室も設けている。
 入居対象は小学生以下の子どもがいるシングルマザーや若年女性、留学生などで、共益費を含めた月額賃料は3万〜5万円台。敷金や礼金は不要だが、原則3年(学生は4年)の入居期限があり、常駐するスタッフが定期的に面談して生活再建に向けた相談に応じる。DV被害者を一時的に保護するシェルターとは異なり、経済的・精神的に自立するステップの場としての位置づけだ。
構想のきっかけは、DV被害者を支援してきた同NPO代表理事の正井礼子さん(74)が10年以上前、訪問したデンマークの母子支援施設に感銘を受けたことだ。きれいで十分な広さがあり、家具も完備されていた。『女性たちが安心して住める家を』と考え、帰国後から地道に様々な企業や団体に協力を呼びかけ、実現した。
 改修費の3分の2は国土交通省の助成を受けられたが、建築資材の高騰で残りの資金集めに苦労し、最後はボランティアが内装工事などを手伝った。
『オープンできてホッとした』と正井さん。現在、5世帯が入居しており、『ここで暮らすことで本来の自分を取り戻し、元気になって一歩を踏み出してほしい』と願う。
 事業にはひとり親の支援に詳しい社会学者の神原文子さんも関わった。『困難を抱える女性にとって、自立をめざすシェアハウスの意義は大きい。ただ次の住まいにスムーズに移るには公的な支援も不可欠で、官民が連携する仕組みが求められている』と話している。(後略)
(2024/06/21 06:00更新)」
同記事は読売新聞編集局生活情報部の島香奈恵記者によるもので、さすがに手堅い取材で内容に過不足はありません。「目新しさ」とか「話題性」という点ではやや印象が弱いように感じますが、こういう地道な取り組みこそ重要なのだと考えるべきでしょう。

次に、6月19日付の『伊豆下田経済新聞』に掲載された「人が集う新たな複合施設『風まち下田』 大手企業撤退跡を移住者が再生へ」( https://shimoda.keizai.biz/headline/442/ )という記事をご紹介しましょう。以下、全文を引用いたします。
「大手企業が運営していたワーケーション施設跡を、ゲストハウスやコワーキングスペースなどの機能を持つ複合施設『Kazemachi SHIMODA(風まち下田)』(下田市武ガ浜)として復活させるプロジェクトが立ち上がった。
同所には、地方創生に取り組む東京の企業が2019年、『LivingAnywhere Commons 伊豆下田(LAC伊豆下田)』を開業。全国数カ所を拠点にフリーランスとして働くノマドワーカーなどが集まる拠点としてにぎわい、中には『しもズブ』『ELENTO』など、下田を気に入って同施設を事務所として開業する移住者たちもいた。
 そうした中、運営企業の方針転換により、2023年末、同施設は急きょ閉鎖。2017(平成29)年に下田に移住し、2022年から同施設で拠点マネジャーを務めていた津留崎鎮生さんが新たに法人を立ち上げて建物を借り上げ、新たな複合施設として復活させることを決意した。『下田に吹き始めた新たな風を絶やしてはいけないと感じ、地域内外の人が集う「交流・共創・挑戦 の場」を作りたいと考えた』と津留崎さん。『地域外の企業に任せていては、今回のように突然撤退してしまうこともある。地域の課題解決をする場所は、地域に暮らす人間が当事者にならなければ』とも。
 施設名は、かつて下田が江戸と大阪を結ぶ重要な航路の途中にある『風待ち港』として栄えた歴史に由来する。『風を待つだけでなく「まちに風を起こす」という思いから、「風まち」とした』と津留崎さん。
 同プロジェクトでは4階建ての建物をリフォームし、『誰もが気軽に立ち寄れる』コミュニティースペースを中心に、オフィスとしても利用できるシェアハウス(月50,000円〜)、ゲストハウス(1泊6,000円〜)、コワーキングスペース(半日1,000円〜)、シェアカフェ(1日4,000円〜)、イベントスペースなどを備えた複合施設にすることを計画している。外部デッキスペースでは屋台、エントランス前にはキッチンカーの出店も受け付ける。こども図書館やこども食堂も運営し『地域の子どもたちが集まる場所がない』という地域のニーズにも応える。『自習でも読書でも気軽に立ち寄ってほしい。共有スペースには卓球台も置いている』と津留崎さん。
 5月に本格的に工事がスタート。下田の自宅もDIYした津留崎さんの経験も生かし、地元の人やLAC伊豆下田を利用したことのある人の協力も得て、自分たちの手でできるところから徐々に工事を進めている。営業に必要な許可なども取得のうえ、7月から部分的に運用を始める予定だという。 
 6月19日には、開業資金を募るクラウドファンディングも始めた。防災設備や配線・配管工事のための200万円をファーストゴールに設定し、リターンには下田の特産品や同施設を利用できる権利などを用意する。津留崎さんは『自己資金も投じているが、建物が大きいこともあって資金が足りない。金融機関からの借り入れも考えたが、下田で起きていることをたくさんの人に知ってもらいたいとクラウドファンディングを立ち上げた。ぜひこの事業を後押ししてほしい』と呼びかける」
これは要するに、「大手資本の企画に乗せられた挙げ句、ハシゴを外された人」のリベンジ、ということになるでしょう。「ワーケーション」というのも今となっては懐かしい用語ですが、「働き方改革」などとともに、2019年頃――つまり、コロナ禍の直前頃には大いに注目され、期待されていた「新時代の働き方」でした。しかし、2020年に東京やその他の自治体で「緊急事態宣言」等が発出され、都道府県単位で日々の感染者数が公表されるようになると、まだ感染者数の少ない地方都市などでは、首都圏など感染者数の多い自治体からの人の受け入れを嫌うようになりました。必ずしも、それだけが理由ではないでしょうが……コロナ禍を境にして、ワーケーション振興の動きはいつしか忘れられていきました。記事によれば、この「津留崎鎮生さん」は、施設開設の2年前に下田に移住してきたそうですから、もともとこの土地への思い入れやこだわりがあったようですが――果たして、彼の呼びかけに応えてくれる者はどのくらい出てくるでしょうか? 「下田に吹き始めた新たな風」というのが、彼だけに感じる「錯覚」でなければいいのですが……。

続いてご紹介するのが、同じ6月19日に『プレジデントオンライン』に掲載された、「『5円で買った家』が毎月4万円の利益を生む…元サラリーマン投資家が『空き家投資は儲かる』と説くワケ 『ボロボロの空き家』にも借り手は多くいる」( https://president.jp/articles/-/82685 )という記事。これは、椙田拓也氏という人物による文章で、椙田氏は「空き家起業家/滑川市まちづくりワーキンググループ委員/マネー総研 所長」などの肩書をお持ちで、カネコツトム氏との共同著書に『「空き家」で儲ける! 驚異の利回り100%不動産投資術』(宝島社)などがあります。かなり長い文章ですが、とりあえず最初のほうを引用してみます。
「■毎年10万戸ペースで急増する『空き家』問題
いま、空き家が増えています。総務省統計局が4月に公表した速報値では、全国に900万戸もの空き家があり、その数は毎年10万戸ずつ増えていることがわかっています。また空き家の割合は13.8%、まさに日本は空き家大国といえます。
空き家の中でも、特に所有者すらわからない空き家もあったり、なかには長年放置された管理不全空き家など、倒壊の危険性があったりする空き家も増えており、地方自治体も空き家問題には頭を抱えています。そんな空き家が社会問題化している中で、空き家を使ってビジネスをする『空き家ビジネス』が静かなブームになっています。引き取った空き家を賃貸で貸す大家業、大きな古民家をシェアハウスとして活用する例もあります。また、インバウンド需要が戻り、地方でも外国人観光客が押し寄せるスポットもあり、民泊で運営する宿泊業なども空き家ビジネスの一例です。
■『タダでももらいたくない』空き家がなぜ投資に?
通常、不動産投資を行う場合、銀行から多額の融資を受けて、アパートやマンションを購入します。家賃が入ってきても、銀行への返済や管理コストなどがかさみ、手残りは大幅に減ってしまいます。しかし空き家、それも所有者が『要らない』というお困り空き家を活用した投資手法では、物件取得費が0円またはそれに近い額で引き取れるため、初期費用が少なくて済みます。
もちろん、土地と建物が0円であっても購入にかかる諸経費、例えば登録免許税や不動産取得税、火災保険料、不動産会社への仲介手数料などが家一軒当たり30〜50万円程度かかります。それでも一般的な不動産投資と比較すると初期費用は抑えられるため利益率が非常に高い投資となります。総投資額が数十万円程度となるため、銀行からの融資に頼る必要もなく、そのため元本の返済や金利負担すら必要な低コストで安全です。
一方で激安の空き家を取得すると、内装や外装がボロボロの場合もあり、リフォーム等の修繕が必要となるケースもあります。また引き取った空き家の室内には旧所有者や古い住人の荷物などが残っている場合もあります。これを残置物といいます。
不動産の本体(土地や建物)を0円でもらったとしても、こうしたリフォームや修繕、残置物の撤去などに多額の費用がかかるようでは意味がないと思われることでしょう。
私の投資手法では、リフォーム費用はほとんど使いません。どうするかというと、入居者さんにDIYでリフォームしてもらうことを選択するのです。この方法であれば、残置物の撤去すら必要なく、入居者さんに修繕や処分はすべておまかせしています。そんなことが可能なのか? と思われることでしょう。実際の事例で説明します」
とりあえず、ここまでで1ページ目が終了。これに続く2ページ目では、いよいよ「■『5円』で引き取った家が月4万円の家賃収入に」の小見出しの下に、そのカラクリを解説していきます。ざっくりと要約すると――椙田氏が取得した「空き家」について、「関東在住のオーナーが相続した東北地方の平屋」「所有しているだけで毎年固定資産税4万円」「遺品の処分に数十万円、建物の解体に100万円以上かかる」と説明した上で、「無償譲渡だと贈与税が発生するので、不動産仲介会社の計らいで売買金額5円での不動産売買契約によって購入」という経緯を明らかにします。そして、取得諸費用は30万円かかっており、さらに簡単な掃除と片づけ程度(修繕費10万円)で、家賃4万円で人に貸し出した――と言います。面白いもので、こういうふうに要約すると、いろいろ疑問点が湧いてくるのではないかと思われますが、椙田氏自身の執筆による例の「名調子」でこれらの経緯を語られると、なぜかすんなり納得できてしまいます。細かい疑問点が浮かんだとしても、読み進んでいくうちに気にならなくなってしまう……意図的なものかどうかは定かではありませんが、ある意味、才能を感じます。以後、全6ページにわたって椙田氏の不動産戦略とその成功事例が滔々と語られており、会員登録等しなくてもそのまま無料で読めますから、興味のある方はリンク先をご一読されるといいでしょう。ただ――基本的に、「書かれている内容に嘘はない」と思われますが、「すべてが書かれているわけではない」ということも間違いないところでしょう。椙田氏が「あえて書かなかったこと」「書きたくても書けなかったこと」については、各自がそれぞれの判断で想像してみると良いかもしれません。

最後にもう1本、こちらはプレスリリースになりますが、「シェアハウス運営会社が入居者対応の100人運動会を開催。外国人も多数参加」( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000027970.html )という話題をご紹介しておきましょう。内容はタイトルから想像される通りだと思いますが、興味のある方はリンク先をご参照ください。

ことさら企図したわけではありませんが、今回のコラムでは、比較的「明るい話題」が多かったような気がします。とはいえ、シェアハウス関連の話題が「明るく」感じられるということは、それだけ日本経済全体の行く手に陰りが生じているから……と解釈することもできると思います。何もシェアハウスに光明を見出さなくても、最初からさまざまな可能性が拡がっているほうが、はるかに健全な世の中なのかもしれません。
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