不動産関連お役立ち情報  >  新・今月の不動産コラム  >  第15回 政権交代とシェアハウス

第15回 政権交代とシェアハウス

11月16日、衆議院が解散しました。これによって、衆議院総選挙は12月4日に公示、12月16日に投・開票という日程が決まりました。当コラムでは年初からたびたび「政権交代」の話題を取りあげてきましたが、1年の終わり、最後の最後になってようやく実現したわけです。きたるべき総選挙は、順当な政権回復を狙う自公両党 vs. あわよくば政権奪取を目論む第三極の争いに、万に一つの生き残りを賭けて旧民主党系の議員が喰いこむ、という図式になるでしょう。本稿執筆段階で公示まで10日を切っていますが、この中でもっとも注目されるのが、橋本大阪市長と石原元東京都知事がタッグを組んだいわゆる第三極。ご両所はともかく、日ごろ政治に関心の薄い層には名前どころか存在すら認知されていないような弱小政党をどれだけかき集めたところで、それだけでは自公両党に勝ち目はないでしょうが、自民党政権末期〜民主党政権時代にかけて、これら大政党による政治に失望を感じていれば、第三極の「可能性」に思わず期待してしまう人がいないとも限りません。そんな方にはぜひ、民主党政権成立前夜の「あの雰囲気」を思い出すことをオススメします。「可能性」とか「将来性」という耳触りのいい言葉が何を担保してくれるものか、改めて考え直してみるといいでしょう。

さて、今回は政権交代後の社会を見据えつつ、最近の不動産関連業界の話題をピックアップしてみたいと思います。

(株)アサツー・ディ・ケイ(ADK)は11月19日
「全国一斉 住み力調査」の結果を発表しました。「住み力(=すみりょく)」とは、同社が日本女子大学大学院住居学専攻・篠原聡子研究室と共同で発足したプロジェクトの用語で、「生活者が自分らしい住まいを選択、維持する力」と定義しています。同社と篠原研究室の共同プロジェクトは「住み力」を高める活動で、その第一弾が今回実施された調査ということになります。これは2012年9月28〜30日の期間に、全国の20〜69歳の男女1,376人を対象にインターネット調査という形式で実施されました。全般的に興味深い内容ですが、特にシェアハウス大家さんの関心を惹きそうなデータを2、3挙げてみましょう。たとえば「シェアハウスのように台所やトイレを共用するのは合理的だ」という質問への回答では、20歳代が35.2%と全世代中で最多となりました。このことは意外でもなんでもありませんが、一方で「むこう三軒両隣とは、挨拶する仲でいたい」という質問に対しては、年配層ほど多く、若年層ほど少ないという結果が出ています。同社はこの現象について「若年層はご近所づきあいよりも、シェアハウスのように合理的でかつ新しい人間関係を作ることができる住まいに魅力を感じているようだ」と分析しています。ちなみに、同社は、同プロジェクトの活動第二弾として、11月18日を「いい家の日」と制定し、合わせて「住み力」WEBサイトをオープンしています。これは同サイトにアクセスして「住み力診断」の45の設問に答えると、自分の住み力の高さ(点数)とタイプを知ることができるというもので、どこまで本気で参考にしてよいかはともかく、話のネタとして一度覗いてみるのも面白いかもしれません。

続いて、国交省からのトピックスを2本。11月16日に総合政策局建設統計室は平成23年度下半期(2011年10月1日〜2012年3月31日)受注分の「建築物リフォーム・リニューアル調査」結果を発表しました。これは建設業者に対して、元請けとしての建築物リフォーム・リニューアル工事の受注高と、各月の最初に受注した工事2件の個別工事内容を調査したもの。これによると、同期の建築リフォーム・リニューアル工事受注高は4兆2,583億円となり、前年同期比1.9%増となっています。リフォーム・リニューアル市場の盛り上がりに関しては以前にも当コラムで取り上げていますが、今回の調査結果に関していえば「施工区域別では東北3県の合計で前年同期比115%」という数値からもおわかりのように、震災特需の一環と判断して差し支えないようです。もちろん、引き続き成長の見込まれる市場であることは間違いないところではありますが……。

もう1本、11月22日に土地・建設産業局地価調査課が発表した「地価LOOKレポート」(2012年第3四半期)において、たいへん興味深い結果が出ています。詳細はリンク先をご確認いただければ一目瞭然ですが、「主要都市の高度利用地区」つまり、大都市圏でオフィスビルや商業施設などの商業系地区と、高級住宅地など住宅系地区で、それぞれ利用価値の高い土地の地価が、2008年第1四半期(1月〜4月)以来4年半ぶりに全地区で「上昇〜横ばい」が8割を超えたのです。特に住宅系地区44地区の内訳をみると、上昇16地区、横ばい24地区、下落4地区となり、上昇地区が下落地区数の4倍となっています。もちろん、これは高度利用地区のデータであり、すべての土地で地価が回復に向かっているわけではありませんが、ある一部の地区で地価が上昇すれば周囲の地価にも影響を与えるものです。今度の総選挙で自民党政権が復活すれば、少なくとも短期的には日経平均株価の上昇など景気回復傾向が進むものと見られますから、当然、高度利用地区やその周囲の地価も上昇が見込まれます。地価の一時的な上昇が必ずしも投資家やシェアハウス大家さんにとってメリットになるとは限りませんが、売却益の確保や保有資産の損失の回避などをお考えなら、選挙の結果が出る前に早めに動いてみるのも手かもしれません。ただし、どのような結果になったとしても、もちろん自己責任ですが。

前
第16回 メディア報道とシェアハウス
カテゴリートップ
新・今月の不動産コラム
次
第14回 価格動向とシェアハウスその2

ログイン

ユーザー名:

パスワード:


パスワード紛失


シェアハウス大家さん
倶楽部(無料)

シェアハウスで不動産投資に踏み出すサラリーマンやOLの皆様を応援する会員制プログラムです。ご登録いただくと各種不動産投資情報やサービスを無料提供致します。
入会申込(無料)